PE・FGの違いとは?接地の基礎を解説

電気の基礎

制御盤や電気回路を扱う上で欠かせないのが「接地(アース)」です。
しかし、現場では「PE」や「FG」など似たような言葉が多く登場し、混乱することも少なくありません。

この記事では、接地・PE・FGの違いと役割を、初心者にもわかりやすく解説します。

制御盤設計や設備保守の現場で「どこに接地を取るべきか」「PEとFGは同じでいいのか?」と疑問に思った方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも「接地」とは?

接地の基本的な目的

接地(アース)とは、電気回路の一部を地面(大地)に接続することを指します。

これには以下3つの明確な目的があります。

目的内容
① 感電防止絶縁が破れたとき、漏れ電流を地面に逃がして人を守る
② 機器保護落雷やサージなどの異常電圧を逃がして機器を守る
③ 電気的安定電位を一定に保ち、ノイズや誤動作を防ぐ

このように接地は、安全性と信頼性の両方を支える重要な要素です。

「PE」とは?保護接地の意味

PE(Protective Earth)の定義

「PE」とは Protective Earth(保護接地) の略です。
これは、機器の金属筐体やフレームなど、人が触れる可能性のある導電部を接地するためのものです。

代表的なPEの接続対象には次のようなものがあります。

  • 制御盤や機械の金属フレーム
  • モータやトランスの外装部
  • 電源装置や端子台のアース端子(PE端子)

PEは「人を守る」ための接地

もし絶縁が破れて内部の電線が筐体に触れてしまった場合、PEによって電流が地面に逃げます。
その結果、漏電遮断器(ELB)やブレーカが動作して電源が遮断され、感電事故を防ぐことができます。

このようにPEは、安全を確保するために最も重要な接地です。
各国の安全規格(IEC、JISなど)でも、PE接続は義務づけられています。

「FG」とは?機能接地の意味

FG(Frame Ground)の定義

「FG」とは Frame Ground(機能接地) の略です。

主に電子機器や通信機器のノイズ対策を目的とした接地です。PEのように人の安全を守るものではなく、機能面の安定性を保つための接地といえます。

FGの役割

FGの主な役割は、電気的ノイズや電位差による誤動作を防ぐことです。
次のようなケースで利用されます。

  • シーケンサ(PLC)やインバータなど、ノイズに弱い機器
  • 通信ケーブルやシールド線の片側接地
  • 電子回路のGND安定化

FGを適切に接地することで、ノイズを効率よく逃がし、信号の安定を保つことができます。

「PE」と「FG」の比較

現場では「PEとFGを同じにしてもいいの?」という疑問がよく聞かれます。
確かにどちらも「接地」を意味しますが、目的や設計思想が異なります。

項目PE(保護接地)FG(機能接地)
目的感電防止、安全確保ノイズ対策、信号安定化
対象機器の金属筐体や外装電子機器の信号回路など
主な効果人を守る、安全性向上機器の誤動作防止、機能安定化
接続先接地極(アース棒など)ノイズリターン、筐体GNDなど
規格安全規格で義務機能上の任意(機器仕様による)

PEとFGは共通でもいいのか?

基本的にはPEとFGは分離するのが理想です。
理由は、FGをPEに共通接続すると、ノイズ電流が安全アース側に流れ込み、誤動作やノイズ伝播の原因になるためです。

ただし、小規模な制御盤や家庭用電気機器などでは、PEとFGを共通接地にするケースもあります。
この場合も、機器メーカーの指示や規格を必ず確認し、安全と機能の両立を図ることが大切です。

まとめ

最後に、この記事のポイントを整理します。

  1. 接地(アース) は、安全と安定動作のための基本!
  2. PE(保護接地) は感電防止のための接地
  3. FG(機能接地) はノイズ対策や信号安定化のための接地
  4. PEとFGは目的が異なるため、原則として分離して設計するのが望ましい

接地は地味な存在ですが、電気設備の安全性と信頼性を左右する非常に重要なポイントです。
制御盤や装置設計を行う際は、「PE=人の安全」「FG=機器の安定」と覚え、正しく接地を使い分けましょう。

タイトルとURLをコピーしました