【必須知識】a接点・b接点・c接点の違いとは?接点の違いを解説

電気の知識

リレーやスイッチを扱う際によく耳にする「a接点」「b接点」「c接点」という言葉。制御盤や電気設計に携わる人なら避けて通れない基本的な概念ですが、最初は違いが分かりにくく、混乱してしまうことも多いです。

この記事では、a接点・b接点・c接点それぞれの特徴や使われ方の違いを、初心者にもわかりやすく、かつ実務で役立つレベルまで掘り下げて解説します。

電気における接点とは?

「接点」とは、電気回路を「つなげる」あるいは「切り離す」ための接触部分のことです。

スイッチやリレーの内部には金属の導体同士が「触れる」「離れる」仕組みがあり、これによって回路をON・OFFできます。この接点の状態を分類したものが「a接点」「b接点」「c接点」です。

電気回路において接点は、まるで蛇口のハンドルのような役割を果たします。蛇口を閉めていれば水(電流)は流れず、開ければ流れる。接点も同じで、開いていれば電流が流れず、閉じれば電流が流れるのです。

a接点とは?

  • 名称:a接点、メーク接点、NO接点(Normally Open)
  • 普段の状態:開いている(OFF)
  • 動作時:閉じる(ON)
a接点の特徴

a接点とは、電気回路において「普段は開いていて電気が流れない」状態にあり、スイッチやリレーが動作すると「閉じて電気が流れる」ようになる接点のことを指します。

別名「ノーマルオープン接点(NO接点)」とも呼ばれます。

押しボタンスイッチやリレーの出力でよく使われ、機器を動作させたい時にのみ電流を流せるのが特徴です。例えば、モーターを起動するスイッチを押した時に回路を閉じて電流を流す場合に用いられます。a接点は「動作するとONになる」という直感的に理解しやすい動作を持つため、制御盤設計やシーケンス制御において最も基本的で広く使われています。

また、安全性の観点からも、必要な時だけ電流が流れる仕組みにできるため、誤動作や無駄な電力消費を防ぐ利点があります。

b接点とは?

  • 名称:b接点、ブレーク接点、NC接点(Normally Closed)
  • 普段の状態:閉じている(ON)
  • 動作時:開く(OFF)

つまり「動作していないときは電流が流れており、動作すると電流が止まる」接点です。

b接点の特徴

b接点は、リレーやスイッチが動作していない状態で通電しているのが特徴です。普段は電気が流れており、リレーが動作すると接点が開いて電流が遮断されます。

別名「ノーマルクローズ接点(NC接点)」とも呼ばれます。

その特性から、安全回路や異常検出回路に多用されます。例えば、非常停止スイッチや安全ドアスイッチでは、万一スイッチが壊れたり配線が切れても電流が止まる仕組みが求められます。b接点を使えば、回路が途絶えた瞬間に機械を停止させることができるため、安全性を確保できます。

また、a接点とは逆の動きをするため、組み合わせることで「状態の判別」や「誤作動防止」にも役立ちます。常閉であるがゆえに、電源投入時や待機中の状態を検出する用途にも適しています。

c接点とは?

  • 名称:c接点、トランスファ接点、CO接点(Change Over)
  • 構造:a接点とb接点を1つの共通端子で切り替える
  • 普段の状態:共通端子とb接点がつながっている
  • 動作時:共通端子とa接点がつながる
c接点の特徴

c接点は、a接点(常開)とb接点(常閉)が一体となった構造をしています。1つの共通端子から分岐し、リレーが動作するかどうかで通電先が切り替わる仕組みです。

別名「チェンジオーバー接点(CO接点)」「切替接点」とも呼ばれます。

その特徴により、一つの入力信号で二通りの出力を制御できる柔軟性があります。例えば、モーターの正転・逆転制御や、状態表示ランプのON/OFF切り替えなどに利用されます。さらに、状態に応じて「ONとOFFを確実に切り替える」必要がある回路では、c接点が非常に便利です。

制御盤の省スペース化にも貢献し、リレー数を減らしながら複雑な制御を実現できます。そのため、シーケンス制御の中核を担う重要な接点形式と言えるでしょう。

各接点の使われ方

a接点の使われ方

  • モーターやランプの起動
  • 電源ボタン

b接点の使われ方

  • 非常停止スイッチ
  • インタロック用スイッチ

c接点の使われ方

  • リレーの状態信号をPLCに送る
  • 運転中/停止中のランプ表示を切り替える
  • 負荷の切替制御

a接点・b接点・c接点の違い

まとめ

本記事では、a接点・b接点・c接点の違いについて解説しました。

  • a接点は「通常時にOFF、動作時にON」
  • b接点は「通常時にON、動作時にOFF」
  • c接点は「a接点とb接点を切り替える」

接点の違いを理解すると、回路図の読み解きや制御盤設計がスムーズになり、トラブル対応のスピードも上がります。

「ただのスイッチ」ではなく、それぞれの接点が持つ役割を正しく理解することが、電気技術者としての第一歩です。

この記事が皆さんの学びに繋がれば幸いです。

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