制御盤の配線作業では欠かせない「圧着端子」。
その中でもよく使われるのが Y端子(Y形端子) と 丸端子(R形端子) です。
一見すると形が少し違うだけのように見えますが、実際には作業性や安全性、信頼性に大きな違いがあります。
この記事では、Y端子と丸端子の特徴と使い分け方、そして制御盤での正しい選定ポイントをわかりやすく解説します。
Y端子と丸端子の違いを比較
| 比較項目 | Y端子(Y形端子) | 丸端子(R形端子) |
|---|---|---|
| 形状 | Y字型(開口あり) | 円形(完全閉鎖) |
| 作業性 | ネジを外さず取り付け可能 | ネジを外す必要あり |
| 安全性 | 振動で外れるリスクあり | 外れにくく信頼性が高い |
| メンテナンス | 容易で交換しやすい | やや手間がかかる |
| 主な用途 | 点検・交換頻度が高い箇所 | 固定・重要回路など |
Y端子は「作業性重視」、丸端子は「安全性重視」という住み分けが基本です。
Y端子と丸端子とは?
Y端子(Y形端子)の特徴

Y端子は、その名の通り「Y字」形状をしています。
ネジを完全に外さずに差し込んで接続できるのが大きなメリットです。
ネジを緩めるだけで取り付け・取り外しが可能 メンテナンスや交換作業がスムーズ 作業効率を重視する現場で好まれる
ただし、Y字の開口部があるため、強い振動で外れるリスクがある点には注意が必要です。
丸端子(R形端子)の特徴

丸端子は、接続部が完全な円形になっており、ネジにしっかり固定できる構造です。
ネジを一度外してから装着する必要がありますが、そのぶん信頼性が高く、外れにくいのが特徴です。
振動や衝撃に強く、確実に締結できる 安全性・信頼性を重視する回路に適する 一方で、取り外しや交換の手間がかかる
Y端子と丸端子の使い分け
制御盤内では、端子の使い分けが信頼性と保守性のバランスに直結します。
Y端子:メンテナンス頻度が高い
頻繁に取り外し・点検を行う機器(センサ、リレー、スイッチ類など)にはY端子が便利です。
ネジを完全に外さずに交換できるため、作業効率が格段に上がります。
例:制御盤内の端子台やスイッチ類の接続部分など
丸端子:重要回路や振動がある箇所
インバータやモータ回路など、振動や電流変動のある場所では丸端子が推奨されます。
ネジでしっかり締め付けることで、緩みや脱落を防止できます。
例:電源入力端子、モータ制御部、ヒータ回路など
設計段階での考慮ポイント
作業頻度が多い箇所は「Y端子」 信頼性が重要な箇所は「丸端子」 異なる端子を混在させる場合は、図面やラベルで明確に管理することが重要です。
Y端子と丸端子の選定ポイント
端子の種類だけでなく、電線サイズやネジ径を正確に合わせることも大切です。
電線サイズと適合端子の確認
圧着端子には「適合電線サイズ(mm²)」が設定されています。
電線が細すぎたり太すぎたりすると、圧着不良や接触不良の原因になります。
例:1.25sq、2sq、5.5sqなどのサイズを確認
ネジ径・端子幅・圧着範囲の確認
ネジ径(M3、M4など)に合った端子を選ぶことも基本です。
合わない端子を使うと、締め付けが不十分になり発熱や緩みの原因となります。
JIS規格とメーカー仕様の違いに注意
実は「丸端子」はJIS規格に含まれますが、「Y端子」はJISには含まれていません。
メーカー独自仕様のY端子を使用する場合は、信頼性や寸法の互換性を事前に確認しておきましょう。
適正な圧着ペンチを選ぶ
端子のサイズに合った圧着ペンチを使用しましょう。
1.25sq端子に5.5sq用ペンチを使うなどのミスは圧着不良の原因です。
圧着位置とマークを確認
圧着後、端子にメーカー指定の「刻印マーク」がついているか確認します。
マークが不明瞭な場合は、圧着力が不足している可能性があります。
まとめ

Y端子と丸端子は、どちらが優れているというよりも「用途に応じて使い分ける」ことが大切です。
Y端子 :メンテナンス頻度が高い配線に使用する
丸端子:動力回路など重要な配線に使用する
端子選定の際は、電線サイズ・ネジ径・規格を必ず確認し、正しい圧着とトルク管理を行いましょう。
それが、制御盤の安全性と信頼性を長期的に維持する最も確実な方法です。
この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。では!

